第77章 彼女さえいなければよかった

有岡家、客室。

西川安菜はベッドに腰かけたまま、どれだけ考えても胸のざわつきが消えなかった。

今の自分が手にしているものは、もともと有岡里穂から奪い取ったものだ。有岡家のあのジジイとババアは、どう見ても里穂の後ろ盾として乗り込んできた。――となれば、いま自分が持っているものを、全部取り返されるんじゃないか。

そんなの、あり得ない。

やっと掴んだのだ。いまさら返せるわけがない。

いっそ、有岡里穂さえいなければ。里穂さえいなければ、あの二人が何を言おうと怖くないのに。

そう思った瞬間、くすんでいた瞳に、ふっと光が差した。

――そうだ。里穂がいなくなれば、全部片がつく。

寝室の灯り...

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